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4月からの保険改定(保険歯科医療の終焉)

  • 2006年04月21日(金)

4月から健康保険が大きく改定された。
医療現場の最前線で働く我々開業医は大混乱している。

業務の簡素化と言いながら様々な文書の発行を義務づけたため、ある先生は患者さんの予約を先月までの三分の二にしたとか、
先月までは午前の診療が12時に終わっていたのに患者さんに手渡す文書を作成するため昼休みを削って午後1時まで診療時間が延びているとか・・・

当院でも出来るだけ正確に書こうと、次の患者さんを待たせることを気にしながら精一杯書いた文書を手渡したところ
「これ保管しとかないといけないの?」と尋ねられ「ご自由にどうぞ、我々は患者さんに手渡すように行政から言われていますが患者さんがどうするかは聞いていません」とお答えすると「じゃ〜破棄してもいいのね」とさらりと言った患者さんがいた!

別の患者さんは「年寄りがこんなのもらっても見る気がしない」って・・・
次の患者さんを待たせて出来るだけ説明したことを正確に書いたのに・・・

こんな文書に本当に意味があるの?

10年以上前から当院では、口腔内カメラでお口の中を撮影した画像をテレビモニターに映して、レントゲン写真と共に現在患者さんの口の中でどんな問題が起きているか説明してきたが、今月の保険改定で患者さんに手渡さなければならない文書を書くためにテレビモニターで説明する時間を削らなければならなくなった。

患者さんに充分な情報提供するために文書提供が必要だという説明を受けたが、当院では今までの方が充分に説明する時間がとれていた。

今歯医者関係のメーリングリストや地元の歯科医師会などで同業者の意見を見聞きすると、こんな改定をした行政の保険の担当者に対する批判や疑問ばかりだ。

保険医協会からも厚生労働大臣に対して「今次歯科診療報酬改定に抗議し、緊急再改定を求める要請書」を厚生労働省保険局医療課に送付するように依頼書が届いた。

保険でいい医療を提供出来るようにいろいろな要請が頭に浮かんでくるが、事細かな事は書かずただひとつだけ今回の歯科診療改定の責任者に聞いてみることにした。

「今回のような歯科診療体系になって、もしあなたの子供が世間の弱者の人たちに保険で良い歯科診療を提供したいから歯医者になると言ったらあなたは両手を挙げて賛成できますか?
りっぱな理想をもって歯科医師になったとして幸せになれると思いますか?」

私はこれからますますひどくなるであろう保険医療の事を考えると、自分の子供を歯科医師にしたいとは思わない。
まじめに保険治療に取り組めば取り組むだけ、悩みや苦労が多くなる。

先日誰かが平成18年4月1日は日本の保険歯科医療の死亡宣告の日だと書いていた。

それでも改革が推し進められていくのだろう・・・